2016-03-03
《おもちゃ屋の旅⑥》地球の中の遠いここ。ドルナッハに泊まった日。
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忘れないうちに、いや、忘れないです。
今日はスイスドルナッハの町での宿泊先ゲストハウス『フリードバルト』のお話しです。
シュタイナー建築の設計をしている石川恒夫先生が
ドルナッハの、ゲストハウス『フリードバルト(Friedwart)』を予約してくれました。
私たちは、シュタイナー建築に宿泊したかったのです。
居心地を体験したかったのです。
ニュルンベルクトイショーの次の日、
私たちは『フリードバルト』に到着し、宿泊しました。
多くの方の大切な空間『フリードバルト』。セレクトした写真で少しだけ紹介させてください。
![フリードバルト次の日5.jpg](/wp-content/uploads/old-blog/%E3%83%95%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%89%E3%83%90%E3%83%AB%E3%83%88%E6%AC%A1%E3%81%AE%E6%97%A55.jpg)
ドルナッハの町は、とても静かで何かが守られている感じがしました。
大切に守られている何かは、百年前と変わらないのでしょうね。
私たちって、変わらない方がいいのかもしれませんね。
など、いろいろじんわりと、今でも考えたり、思い出します。
町と宿泊先のフリードバルトのお話しは少々長いお話しとなりました。お許しください。
![reddot10p.jpgのサムネイル画像](/wp-content/uploads/assets_c/2013/12/reddot10p-thumb-9x9-3905.jpg)
『フリードバルト』に到着し、建物に入ると、薄暗く、誰もいません。
私たちが床を鳴らす足音だけが響きます。
私たちはだれにも会わずに私たちのために用意された2階の部屋に入りました。
ドアを開けると
そこには、居心地のよい空間が広がっていました。
空間が語る、サービスに驚かされました。
『ようこそ』と、居心地のよい空間と、寝心地のよさそうなベッドを用意してくれています。
![フリードバルトの夜02.jpg](/wp-content/uploads/old-blog/%E3%83%95%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%89%E3%83%90%E3%83%AB%E3%83%88%E3%81%AE%E5%A4%9C02.jpg)
『サービス・接客』は、笑顔、丁寧な言葉で心地良い時を過ごしてもらうこと。と思っていました。
誰にも会わないのですが、感じるサービスを受けました。
たいせつなひとりひとりの旅の時間を静かに守ってくれる。
『フリードバルト』に入っただけで、感動しました。
部屋は、前も来たことのあるような懐かしい感じです。
壁の色、家具のかたち、フォルムがやさしく美しい。
人の居心地の良さは、世界共通なのですね。
来て良かった。
洗面のアメニティーは、『ヴェレダ』と『ソネット』でした。
![フリードバルトの夜03.jpg](/wp-content/uploads/old-blog/%E3%83%95%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%89%E3%83%90%E3%83%AB%E3%83%88%E3%81%AE%E5%A4%9C03.jpg)
この日から私は、ヴェレダのシャワーソープの愛用者になりました。
1階の庭に出てみました。
庭には
2月だというのに、花が一面に咲いていました。
夕方だったので、花が閉じていましたが、おひさまが出ると咲くのでしょうね。
![DSC_0473fb.jpg](/wp-content/uploads/old-blog/DSC_0473fb.jpg)
庭はふかふかです。
養分、栄養で満ちているのでしょう。
振り向くと
パパが、部屋のベランダに出てこちらを見ていました。
![フリードバルトの夜04.jpg](/wp-content/uploads/old-blog/%E3%83%95%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%89%E3%83%90%E3%83%AB%E3%83%88%E3%81%AE%E5%A4%9C04.jpg)
「パパ、庭においでよ。」
「うん、すぐ行く。」
「庭、いいね。」それだけのことですが、楽しい時間でした。
![DSC_0476fbp.jpg](/wp-content/uploads/old-blog/DSC_0476fbp.jpg)
娘が外から、ドアを開け建物に入りました。
![フリードバルトの夜07.jpg](/wp-content/uploads/old-blog/%E3%83%95%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%89%E3%83%90%E3%83%AB%E3%83%88%E3%81%AE%E5%A4%9C07.jpg)
ここは、朝食やお茶をいただくスペースです。
![フリードバルトの夜08.jpg](/wp-content/uploads/old-blog/%E3%83%95%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%89%E3%83%90%E3%83%AB%E3%83%88%E3%81%AE%E5%A4%9C08.jpg)
![reddot10p.jpgのサムネイル画像](/wp-content/uploads/assets_c/2013/12/reddot10p-thumb-9x9-3905.jpg)
真っ暗な夜になる前に、『あそこ』まで散歩をしましょう。
夕方に私たちは散歩に出ました。
ドルナッハの町がきれいです。夜の前の青の風景。
![フリードバルトの夜12.jpg](/wp-content/uploads/old-blog/%E3%83%95%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%89%E3%83%90%E3%83%AB%E3%83%88%E3%81%AE%E5%A4%9C12.jpg)
町の坂を登っていきます。
静かで、暗くなっていく町。
家の明かりがあたたかい。
この町は、人よりも、自然・木や植物、大地の存在の方が大きいように思いました。
そして、もうすぐ大きな闇が迫ってくることを感じ、私たちは急ぎました。
![フリードバルトの夜13.jpg](/wp-content/uploads/old-blog/%E3%83%95%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%89%E3%83%90%E3%83%AB%E3%83%88%E3%81%AE%E5%A4%9C13.jpg)
丘の上に
あっ!
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ゲーテアヌム!
![フリードバルトの夜15.jpg](/wp-content/uploads/old-blog/%E3%83%95%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%89%E3%83%90%E3%83%AB%E3%83%88%E3%81%AE%E5%A4%9C15.jpg)
大きく、青く、ゲーテアヌムの姿が私たちの前に浮かび上がりました。
大きなドアに人が入っていきます。
![DSC_0510g.jpg](/wp-content/uploads/old-blog/DSC_0510g.jpg)
![DSC_0512g.jpg](/wp-content/uploads/old-blog/DSC_0512g.jpg)
建物の中から誰かが弾くピアノのメロディーが流れていました。
『ゲーテアヌム』は、シュタイナーの芸術表現の建物です。大きな劇場もあります。
明日、チェックアウトしてからまたここへ来ることにしましょう。
夜が迫り青に包まれたゲーテアヌムの姿もまた美しい!
『ゲーテアヌム』を一周しながら帰りました。
建物の裏にさしかかった頃には、夜の闇の中でした。
『ゲーテアヌム』の窓からの明かりが、
映画のシーンのように、私たちのこの時を美しく感じさせてくれました。
![フリードバルトの夜16.jpg](/wp-content/uploads/old-blog/%E3%83%95%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%89%E3%83%90%E3%83%AB%E3%83%88%E3%81%AE%E5%A4%9C16.jpg)
私たちは、夜のドルナッハの町の散歩を満喫し、
宿泊先『フリードバルト』へ戻りました。
![フリードバルトの夜10.jpg](/wp-content/uploads/old-blog/%E3%83%95%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%89%E3%83%90%E3%83%AB%E3%83%88%E3%81%AE%E5%A4%9C10.jpg)
![reddot10p.jpgのサムネイル画像](/wp-content/uploads/assets_c/2013/12/reddot10p-thumb-9x9-3905.jpg)
部屋に戻りました。
床には、『ギャッベ』。あたたかい。
さあ、部屋で夕食にしましょう。
![フリードバルトの夜09.jpg](/wp-content/uploads/old-blog/%E3%83%95%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%89%E3%83%90%E3%83%AB%E3%83%88%E3%81%AE%E5%A4%9C09.jpg)
バーゼルの駅のスーパーで買った 『パン』と『お惣菜』とビールとワインがテーブルに並びました。
「いただきます〜。」
![フリードバルトの夜17.jpg](/wp-content/uploads/old-blog/%E3%83%95%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%89%E3%83%90%E3%83%AB%E3%83%88%E3%81%AE%E5%A4%9C17.jpg)
この中で。美味しくて驚いたものがあります。
これです! 『ゲシュネッツェルデス』スイスの郷土料理だそうです。
![フリードバルトの夜18.jpg](/wp-content/uploads/old-blog/%E3%83%95%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%89%E3%83%90%E3%83%AB%E3%83%88%E3%81%AE%E5%A4%9C18.jpg)
バーゼルの駅のスパーの総菜売り場で、前に並んでいたお母さんが買っていました。
そして、お惣菜の中で、一番減っていましたので買ってみました。
肉をオリーブオイルで炒めて、生クリームや何かで煮ているそうです。
ビーフストロガノフと、モツ煮の美味しいところを、珍味的な感じを抜群にブレンドした感じの味です。
調べて作ってみたいです。味の大発見でした。
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ぐっすり眠り、次の朝がきました。
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私たちは、朝食を食べた後、ここを出なければいけません。
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バイキングのテーブルに並べられたパンや、チーズ、フルーツ。
私たちのこの旅で思い出に残る『最高のおいしい朝食』となりました。
![friedwart_morgen01.jpg](/wp-content/uploads/old-blog/friedwart_morgen01.jpg)
私は、バイキングテーブルのガラスの屋根にビビッときました。
食品にホコリがつかない、食品をガラス越しに見ることで、食材が美しく見え、”つば”が食品につかない。
テーブルという小さな物の設計も機能的です。
この、チューブは、パンにつけて食べるペーストです。
あまりにも美味しかったので、写真を撮らせてもらいました。
![friedwart_morgen03.jpg](/wp-content/uploads/old-blog/friedwart_morgen03.jpg)
「ここで、暮らして、こんなふうに毎日朝ごはんを食べられたらいいね。」
なんて、パパと私は初めて、遠い将来の気が合いました。
美味しい朝食をごちそうさまでした。
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階段の踊り場のステンドグラスは、『第1ゲーテアヌム』のステンドグラスの一部と聞きました。
(※現在のゲーテアヌムは『第2ゲーテアヌム』、『第1ゲーテアヌム』は火事で消失してしまいました。)
こころに印象に残る美しい青を、外の光がさらに印象的に浮かび上がらせてくれます。
3枚撮れていませんが、いちばん左にもう一枚青い花のステンドグラスがあります。
青い花の蕾は、右からだんだん開いているのだそうです。
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水道の蛇口が、かわいくて、写真を撮りました。
球の中に、指の跡のようなくぼみ。
![フリードバルト次の日1.jpg](/wp-content/uploads/old-blog/%E3%83%95%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%89%E3%83%90%E3%83%AB%E3%83%88%E6%AC%A1%E3%81%AE%E6%97%A51.jpg)
チェックアウトの少し前、部屋の外の廊下に、
これから掃除の準備でしょうか、掃除用具のバケツがありました。
ちょっとみると、ソネット多目的洗剤が、入っていました。
![フリードバルト次の日4.jpg](/wp-content/uploads/old-blog/%E3%83%95%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%89%E3%83%90%E3%83%AB%E3%83%88%E6%AC%A1%E3%81%AE%E6%97%A54.jpg)
![reddot10p.jpgのサムネイル画像](/wp-content/uploads/assets_c/2013/12/reddot10p-thumb-9x9-3905.jpg)
遠い国から来た私たち。忘れ物はできません。
『フリードバルト』の居心地はずっと居たい、また来たい居心地でした。
![DSC_0581fn.jpg](/wp-content/uploads/old-blog/DSC_0581fn.jpg)
私たちは 階段を下り、
![DSC_0600fn.jpg](/wp-content/uploads/old-blog/DSC_0600fn.jpg)
チェックアウトしました。
![DSC_0616fb.jpg](/wp-content/uploads/old-blog/DSC_0616fb.jpg)
また、このゲストハウス『フリードバルト』のゲートをくぐる日が来ますように。
チェックアウトした後、
私たちは『ゲーテアヌム』に向かいました。
*
地球の遠いここ。スイスドルナッハの町と、ゲストハウス『フリードバルト』。
木・緑・土・水・空気・空、そして色と音。
人間が便利に計画(支配)しているのではなく、自然の大きさとともに生活している町のように感じました。
魂というものが私の身体にあるのなら、
魂が安らいだ居心地の町とゲストハウス『フリードバルト』でした。
つづく。
文:もぎしづこ
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