2016-03-03
《おもちゃ屋の旅⑥》地球の中の遠いここ。ドルナッハに泊まった日。
シュタイナーの街のシュタイナー建築に宿泊
忘れないうちに、いや、忘れないです。
今日はスイスドルナッハの町での宿泊先ゲストハウス『フリードバルト』のお話しです。
シュタイナー建築の設計をしている石川恒夫先生が
ドルナッハの、ゲストハウス『フリードバルト(Friedwart)』を予約してくれました。
私たちは、シュタイナー建築に宿泊したかったのです。
居心地を体験したかったのです。
ニュルンベルクトイショーの次の日、
私たちは『フリードバルト』に到着し、宿泊しました。
多くの方の大切な空間『フリードバルト』。セレクトした写真で少しだけ紹介させてください。
ドルナッハの町は、とても静かで何かが守られている感じがしました。
大切に守られている何かは、百年前と変わらないのでしょうね。
私たちって、変わらない方がいいのかもしれませんね。
など、いろいろじんわりと、今でも考えたり、思い出します。
町と宿泊先のフリードバルトのお話しは少々長いお話しとなりました。お許しください。
ゲストハウス『フリードバルト』に到着
『フリードバルト』に到着し、建物に入ると、薄暗く、誰もいません。
私たちが床を鳴らす足音だけが響きます。
私たちはだれにも会わずに私たちのために用意された2階の部屋に入りました。
ドアを開けると
そこには、居心地のよい空間が広がっていました。
空間が語る、サービスに驚かされました。
『ようこそ』と、居心地のよい空間と、寝心地のよさそうなベッドを用意してくれています。
『サービス・接客』は、笑顔、丁寧な言葉で心地良い時を過ごしてもらうこと。と思っていました。
誰にも会わないのですが、感じるサービスを受けました。
たいせつなひとりひとりの旅の時間を静かに守ってくれる。
『フリードバルト』に入っただけで、感動しました。
部屋は、前も来たことのあるような懐かしい感じです。
壁の色、家具のかたち、フォルムがやさしく美しい。
人の居心地の良さは、世界共通なのですね。
来て良かった。
洗面のアメニティーは、『ヴェレダ』と『ソネット』でした。
この日から私は、ヴェレダのシャワーソープの愛用者になりました。
1階の庭に出てみました。
庭には
2月だというのに、花が一面に咲いていました。
夕方だったので、花が閉じていましたが、おひさまが出ると咲くのでしょうね。
庭はふかふかです。
養分、栄養で満ちているのでしょう。
振り向くと
パパが、部屋のベランダに出てこちらを見ていました。
「パパ、庭においでよ。」
「うん、すぐ行く。」
「庭、いいね。」それだけのことですが、楽しい時間でした。
娘が外から、ドアを開け建物に入りました。
ここは、朝食やお茶をいただくスペースです。
夜になる前に、周りを散策
真っ暗な夜になる前に、『あそこ』まで散歩をしましょう。
夕方に私たちは散歩に出ました。
ドルナッハの町がきれいです。夜の前の青の風景。
町の坂を登っていきます。
静かで、暗くなっていく町。
家の明かりがあたたかい。
この町は、人よりも、自然・木や植物、大地の存在の方が大きいように思いました。
そして、もうすぐ大きな闇が迫ってくることを感じ、私たちは急ぎました。
丘の上に
あっ!
ゲーテアヌム!
大きく、青く、ゲーテアヌムの姿が私たちの前に浮かび上がりました。
大きなドアに人が入っていきます。
建物の中から誰かが弾くピアノのメロディーが流れていました。
『ゲーテアヌム』は、シュタイナーの芸術表現の建物です。大きな劇場もあります。
明日、チェックアウトしてからまたここへ来ることにしましょう。
夜が迫り青に包まれたゲーテアヌムの姿もまた美しい!
『ゲーテアヌム』を一周しながら帰りました。
建物の裏にさしかかった頃には、夜の闇の中でした。
『ゲーテアヌム』の窓からの明かりが、
映画のシーンのように、私たちのこの時を美しく感じさせてくれました。
私たちは、夜のドルナッハの町の散歩を満喫し、
宿泊先『フリードバルト』へ戻りました。
スイスの郷土料理で夕食です。
部屋に戻りました。
床には、『ギャッベ』。あたたかい。
さあ、部屋で夕食にしましょう。
バーゼルの駅のスーパーで買った 『パン』と『お惣菜』とビールとワインがテーブルに並びました。
「いただきます〜。」
この中で。美味しくて驚いたものがあります。
これです! 『ゲシュネッツェルデス』スイスの郷土料理だそうです。
バーゼルの駅のスパーの総菜売り場で、前に並んでいたお母さんが買っていました。
そして、お惣菜の中で、一番減っていましたので買ってみました。
肉をオリーブオイルで炒めて、生クリームや何かで煮ているそうです。
ビーフストロガノフと、モツ煮の美味しいところを、珍味的な感じを抜群にブレンドした感じの味です。
調べて作ってみたいです。味の大発見でした。
出発の朝
ぐっすり眠り、次の朝がきました。
私たちは、朝食を食べた後、ここを出なければいけません。
あの空間での朝ごはん
バイキングのテーブルに並べられたパンや、チーズ、フルーツ。
私たちのこの旅で思い出に残る『最高のおいしい朝食』となりました。
私は、バイキングテーブルのガラスの屋根にビビッときました。
食品にホコリがつかない、食品をガラス越しに見ることで、食材が美しく見え、”つば”が食品につかない。
テーブルという小さな物の設計も機能的です。
この、チューブは、パンにつけて食べるペーストです。
あまりにも美味しかったので、写真を撮らせてもらいました。
「ここで、暮らして、こんなふうに毎日朝ごはんを食べられたらいいね。」
なんて、パパと私は初めて、遠い将来の気が合いました。
美味しい朝食をごちそうさまでした。
気になったいろいろの中で少しだけ。
階段の踊り場のステンドグラスは、『第1ゲーテアヌム』のステンドグラスの一部と聞きました。
(※現在のゲーテアヌムは『第2ゲーテアヌム』、『第1ゲーテアヌム』は火事で消失してしまいました。)
こころに印象に残る美しい青を、外の光がさらに印象的に浮かび上がらせてくれます。
3枚撮れていませんが、いちばん左にもう一枚青い花のステンドグラスがあります。
青い花の蕾は、右からだんだん開いているのだそうです。
水道の蛇口が、かわいくて、写真を撮りました。
球の中に、指の跡のようなくぼみ。
チェックアウトの少し前、部屋の外の廊下に、
これから掃除の準備でしょうか、掃除用具のバケツがありました。
ちょっとみると、ソネット多目的洗剤が、入っていました。
さようなら『フリードバルト』
遠い国から来た私たち。忘れ物はできません。
『フリードバルト』の居心地はずっと居たい、また来たい居心地でした。
私たちは 階段を下り、
チェックアウトしました。
また、このゲストハウス『フリードバルト』のゲートをくぐる日が来ますように。
チェックアウトした後、
私たちは『ゲーテアヌム』に向かいました。
*
地球の遠いここ。スイスドルナッハの町と、ゲストハウス『フリードバルト』。
木・緑・土・水・空気・空、そして色と音。
人間が便利に計画(支配)しているのではなく、自然の大きさとともに生活している町のように感じました。
魂というものが私の身体にあるのなら、
魂が安らいだ居心地の町とゲストハウス『フリードバルト』でした。
つづく。
文:もぎしづこ
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