2014-11-24

イザラ書房『シュタイナー・音楽療法』カロリン・フィッサー

icon_book.jpg『 シュタイナー・音楽療法』カロリン・フィッサー
 
『音楽の力を信じている人と、その言葉をきちんと伝えようとした人たちの本。』
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図書館でたまたまイザラ書房さんの新刊『シュタイナー・音楽療法』を見つけて読みました。作者はカロリン・フィッサーさん。
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イザラ書房さんはシュタイナー関連の書籍を多く出版する出版社で、MOMOではとしくらえみさんの書籍やシュタイナー教育の専門書などを置かせてもらっています。
 

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この本、『シュタイナー・音楽療法』はタイトル通りシュタイナーの人智学に基づいた音楽療法について書かれた本ですが、

「はじめに」で著者・カロリンさんはこういうことを書いています。
 
はじめはシュタイナーの音楽療法についてだけ書こうとおもったが、このような書籍を書くためには
過去1000年間にヨーロッパで起こった精神的変化と、それに伴う音楽の変遷に関する大枠に
ついてまず書かなければならない。
 
このような本、というのは、シュタイナー音楽療法という本はつまり、音楽で人を癒そうという試みや実践をまとめた本です。
なのでまず、音楽が人間の感情とつながりがある、ということを書かなければならないのです。
その結果、『シュタイナー・音楽療法』第一章・第一節は『人間の発達と音楽の発展』という節からはじまります。
この節が、感情の変化が音楽に与える変化、歴史の中の人間の感情変化に伴なって新しい音楽も生まれてきたという歴史を、とてもわかりやすい言葉で書いていて、とても面白いです。
音楽が人間の心に影響をもたらすということに根拠を書いたこの節からはじまるからこそ、徐々に具体的になっていく「音楽療法」の実践についても納得しながら読んでいくことができます。
シュタイナーの音楽療法や、そもそもシュタイナーに興味がない人も、音楽が好きな人は特に興味深く読めると思います。
 

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私が特におもしろいなと思った所は、シュタイナーの音楽療法では、私たち人間の身体も楽器として捉えているということです。

シュタイナーの楽器は、私たちの身体が宇宙や心の影響を受けて奏でる音を受け止めるための楽器でもあるということです。

シュタイナーの楽器ってどれも不思議な形や色・音をしていますが、心の震えを音にするための楽器と、誰かの書いた楽譜の音楽を正確に奏でるための楽器、違って当然ですね。
違って当然、なので、カロリンさんはシュタイナーの人智学に基づいてつくられた楽器だけが優れている、とは言いません。

時代が変わり、人が変われば楽器も、音を出す方法も変わっていく、ということをカロリンさんは柔軟に受け止めていて、その姿勢が素晴らしいなと思いました。

つい人はどれがいいとか、どれでなくてはならない、となりがちですが、

カロリンさんはシュタイナーの音楽療法を実践することのベースにまず、音楽というものの力を信じているのだな、という姿勢をすごく感じます。

音楽が人の心を動かす力があること、そしてその上でカロリンさんはシュタイナーの音楽療法を実践したということ、その姿勢に共感し、素晴らしいなと思います。

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もちろん具体的なシュタイナーの音楽療法の方法もかなり細かく書かれています。

巻末には音楽療法のために生み出された曲の楽譜も数十曲記載されています。

音楽療法における病気、症状、年齢別の具体例も充実しています。

実際にシュタイナーの音楽療法を目指す方にはもちろん、シュタイナーの楽器を販売する人々にもぜひ読んで欲しい1冊です。

年齢に適した楽器の素材の話なども書かれていて、例えば、普段、鉄琴or木琴という選び方だけでつい捉えてしまいがちですが、その鉄や木の素材にもシュタイナーの音楽療法的には意味があるのだそうですよ!

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この本の特徴はとにかく言葉がとても読みやすいんです。

イザラ書房さん新刊紹介ページのこの本の紹介ページ、【出版社から】としてイザラ書房さんの言葉が書かれています。
本書は人智学(アントロポゾフィー)の考え方が基盤となっておりますが、翻訳者と監修者と編集者とで原文にあたりながら、表現を探りながら、人智学を知らない方にも理解して頂けるように日本語訳を試行錯誤して、完成するまでに長い時間を費やしました。譜面作成にも多くの方々の協力があって完成した書籍です。皆様方の琴線に触れる書籍が出来上がったと思っておりますので、どうぞ一度お手にとってご覧になってみてください。
本当にすっごく読みやすいんです、びっくりするほど。その背景にはやはりこんな努力があったのだと知りました。
そしてとても残念なことに、著者のカロリンさんはこの本の出版を知りながら、今年お亡くなりになったそうです。カロリンさんのこと全然知りませんでしたが、なんだかとても悲しいです。
それはこの本の中にカロリン・フィッサーさんという人が詰まっていて、そしてその言葉を言語の違う国の人にも適切に伝えようとした人々の努力があったからなのだと思います。
 
『シュタイナー・音楽療法』、ぜひシュタイナーに興味のある人も、音楽療法に興味のある人も、音楽に興味のある人も、そして本が好きな人、とても面白い本ですので、ぜひ読んでみてください。
 
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と、いうことを図書館で思っていて、このブログの下書きを書いて保存しておいたら、
店長がたまたま『シュタイナー・音楽療法』をイザラ書房さんに注文していたということで、上の写真をMOMOで撮ってこのブログに貼り付けてくれいていました。
MOMOは基本おもちゃ屋なので、そんなにこまめに新刊を入れたりするわけではないので、とてもすごい偶然なんです!
 
なので、この本、『シュタイナー・音楽療法』、いまMOMOにもあります。
ぜひ気になった方はMOMOでも手にとってみてください。
※横の『種まきカレンダー』は2015年度版を現在ご予約受け付け中です。(※2015年1月入荷予定)
 
文:茂木成美

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