2014-08-31

【『ミュラー展』採掘作業その5】ミュラー社と4代目リンゴ・ミュラーさん。

『ミュラー展』も今日でおしまい!採掘作業も今回が最終回!
最後の最後になってしまいましたが、
今回は『ミュラー』展のタイトルにもなっているミュラーさん、
特に4代目現社長リンゴ・ミュラーさんについて調べてみました。
denkyuu_40.jpg4代目リンゴ・ミュラーさんの伝統と革新の融合「イルミネーションアーチ」!
arch_seiffen_muller.jpg
最初にどどーんと大きなお知らせを。
こちらの細かい窓枠からもれる灯りの美しいイルミネーションアーチはリンゴ・ミュラーさんの生み出したものなのです。
ミュラー社の歴史を調べつつも、どうしてもリンゴ・ミュラーさんが気になってしまいました。
ミュラー社のことは少し、主に現在の社長さん、4代目リンゴさんのことを調べてみました。

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最終回だよ!
最終回になってやっと『ミュラー展』のミュラーさん、しかもリンゴさんの話しだよ!!
 

 

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denkyuu_40.jpgミュラー社は今年で115周年!
 
ミュラー社の歴史はリンゴ・ミュラーさんからMOMOのお客様へいただいたお手紙から要約します。
ミュラー社の正式名称は”kleinkunst aus dem Erzgebirge Müller GmbH”。
ザイフェン村を含むエルツ山地の伝統工芸の作品を作り続ける工房の中では歴史も古く、しかも未だに家族で経営をしている工房だそうです。
reddot10p.jpg1代目:エドムント・ミュラーさん
 
ミュラー社は曾祖父のエドムンド・ミュラーさんが1899年に創業しました。
この工房をそれからずっと家族で守り続け、ミュラー社は今年で115周年を迎えました。
リンゴさんは「1899年に
この工房を続けていることに大変誇りを持って」いると語っていますが、本当にその通りです。
家族4代で115周年、しかも木工芸!すごいとしか言いようがありません。
創業者のエドムンドさんの頃は、とにかくいろいろな種類の工芸品をつくっていたそうで、
特にドールハウスが人気だったそうです。
reddot10p.jpg2代目:ポール・ミュラーさん
 
そして1943年にリンゴさんのおじいさんにあたるポール・ミュラーさんが家業を継ぎ、このポールさんの時に、
いまの「ミュラーといえば!」の象徴でもあるナチュラルな木目を活かした製品が作られるようになったそうです。
reddot10p.jpg3代目:グンター・ミュラーさん
 
1973年から2000年までリンゴさんのお父さん、グンター・ミュラーさんが工房を率い、
この頃に、更に「ミュラーといえば!」という特色、
数多くあるザイフェンの工芸品の中でも一目でミュラーのものだとわかるデザインを生み出しました
reddot10p.jpg4代目:リンゴ・ミュラーさん
 
そして、2000年からミュラー社を代表しているのが現在の4代目リンゴ・ミュラーさん。
ミュラーさんのことを一言で表現すると、
伝統的な工芸品の質感を損なうことなく現代の技術との融合をした作品を生み出している方です。
私がリンゴ・ミュラーさんのことがどうしても気になってしまった理由がありました。
ミュラーについて調べるためにミュラーのパンフレットを読んでいました。
muller2014.jpg
パンフレットはミュラー社の歴史について(主に上のような内容)リンゴさんが書かれた文章からはじまるのですが、
1〜3代目の内容はそこそこに、文章の3分の2がリンゴさんの頑張ってることの内容でした。
 
reading_b2.jpg
あれ、この人おもしろいかも…
 
多分、ミュラー社とかザイフェンとかについて調べている人はたくさんいると思うので、
私はリンゴ・ミュラーさんについて調べてみることにしました。
 
mushimegane_40_b.jpg4代目社長のリンゴ・ミュラーさんってどんな人?
 
カタログにも写真はリンゴさんの顔写真は載っていましたが、もっとリンゴさんのことが知りたい私はミュラー社のWebサイトを探検してみました。
ミュラーのサイトはコンテンツと読み物がたくさんあって、掘っても掘っても新しいページが出てくる、
調べもの好きにはたまらない、というか、どんどん面白いネタがでてくるので、もう出てこないで!とも思う内容充実のサイトです。
と、そこにPictureGalleryのページを発見!早速クリック!
thinking_b.jpg…え?
 
faso-lma-1x.jpg
 
え?!ミュラーロゴ入りTシャツ?!
 
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え?!ミュラーロゴ入りトレーナー?!
 
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え?!無駄に高画質?!
 

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え?!全体的になにしてるとこ?!
 
ちなみにTシャツの男性がミュラー4代目社長リンゴ・ミュラーさんです。
 
 
netsurfing_b2.jpgいいよ!ミュラー社すっごくいいよ!!
 
こういう写真見るとその会社好きになっちゃう人です。
この写真のシチュエーションはミュラーが販売促進のためつくった大きな大きな煙出し人形の車掌さんを、
ザイフェンの村にある夏のレジャースポット
“toboggan run”(冬にはおそらくボブスレーのコースとして使われているコースを夏は観光客向けに滑り台のアトラクションとして解放しているスポット)
に貸し出しをするシチュエーションだそうです。
全体的にこのPictureGalleryが楽しいです、とりわけ、この最新の写真は急に画像が高画質になり、
急になんだかはじけていておもしろいですね。
リンゴ・ミュラーさんはこんな人なんだと、なんだかとてもぐっときました。
<リンゴさんギャラリーおまけ>

(↑リンク先は雑誌の切り抜きをPDFにしたものなのですが、出典が”japanese magazine”としか書かれていません。何の雑誌だか気になりますね。)

denkyuu_40.jpg海外進出に積極的。
 
さて、そんなリンゴさんはドイツの壁の崩壊もあり、海外への進出にとっても積極的です。
 
reddot10p.jpgアメリカでマーサ・スチュワートの番組に出たり。
 
2001年にはアメリカでマーサ・スチュワートの番組に招待されたり。
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reddot10p.jpg香港や韓国にも積極的に売り込みに行ってます。
 
最近では、アジアにも積極的に進出しています。
こちらの動画は香港のショッピングモールで大きなピラミッドを展示したり、木を作るところを実演している様子。
 

elements muller video v4 from Müller GmbH on Vimeo.

 

sankaku.jpgミュラーの動画チャンネルがvimeoっていう所がまた良いですね!:http://vimeo.com/user21216652
2012年の韓国でのミュラーの展示の様子。
32_SF_02_gr.jpg
reddot10p.jpgそしてもちろん日本にも!
 
もちろん日本にも!リンゴ・ミュラーさんは来ています。
そもそも!リンゴ・ミュラーさんが今年の日本での展示会に来日していた時に、MOMOの社長が声をかけたことで、
今回のこの「MOMO夏のミュージアム『ミュラー展』」が実現したのです。
こんなにたくさんのミュラー社製品を展示することを許可してくださったリンゴ・ミュラーさん、
そして日本での代理店エルフさんに感謝です。
2014momomuller_panf_03.jpg
 
 
mushimegane_40_b.jpgミュラーさんの工房はザイフェン1大きいらしい。
 
なんでこんなに世界に売り込みにいっているのかと言うと、なんとミュラーの工房はザイフェンで一番?!大きいそうです。
ザイフェンは旧東ドイツだったため、壁が崩壊した後の西ドイツを豊かにするための国の政策の補助金で大きな工房を建てたそう。
Werk2 1 Winter.jpg
とっても大きな工房には、一部、他の工房では滅多に使われない機械を導入している部分もあったりと、
ザイフェンの中では最先端をいく工場のようです。
ただ、それだけ大きな工房を作ってしまったら、今度はつくった製品を売るための市場が必要です。
ドイツ国内だけでなく、世界にももっとミュラーの製品を知ってもらい、そして市場を開拓するために、リンゴ・ミュラーさんは世界中を飛び回っているのです。
こちらのページでは工房の中の様子が見られますよ。
sankaku.jpgミュラーWebサイト:COMPANY TOUR
 
 
denkyuu_40.jpg最新技術と伝統技術の融合をしてます。
 
reddot10p.jpgWebサイトも英語対応。
 
そんなわけで、ミュラーさんは伝統をしっかし守るため、海外に売り込み行き、
そして時代に合った新しい工芸品を生み出すことにとても力を入れています。
例えば、この「採掘作業」でたくさんお世話になったミュラーの公式サイトも完全英語対応。
もしドイツ語だけだったらこんなにいろんなことを知ることはできませんでした。
 

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reddot10p.jpg香港でiPhoneアプリとコラボしてみたり。
 
香港での展示のときにはこんなコラボレーションもしていたそうです。
 

reddot10p.jpgスキーの選手とコラボレーションしたモチーフのシリーズをつくったり。

 

クリスマスの飾り、という印象の強い工芸品をもっと楽しんでもらうために、新しいモチーフの開発にもリンゴさんは熱心に取り組んでいます。

こちらの方はドイツで有名なスキー選手の方だそう。

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スキー選手の方とコラボレーションしてスキーを楽しむ人の姿のキャンドルホルダーなども開発しています。

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たしかに新鮮でかわいい。

sankaku.jpgエルツ山地のウインタースポーツアーチ

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sankaku.jpgボブスレーのキャンドルホルダー

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sankaku.jpgその他のSPORTIVE EDITIONもいろいろあります。おもしろいです。

 

reddot10p.jpg超高性能オルゴールを開発したり。

 

リンゴさんの最新作は「オルゴール」です。

オルゴール本体は音楽家の方とのコラボレーションで超高性能なオルゴールだそう。

上のモチーフは取り外しができて、オルゴール本体を1つ持っているといろんなモチーフを付け替えて楽しめるそうです。

Spieluhren from Müller GmbH on Vimeo.

 

ちなみに、どのくらい高性能かというと、高性能すぎて日本に輸入できないほど!(サポートができないのだそうです。)

実物、聞いてみたいですね。気になる方は動画を見ていただくか、ザイフェンへどうぞ!

 

reddot10p.jpgイルミネーションのアーチを開発!

最後になりましたが、リンゴ・ミュラーさん最大の発明はなんといってもこちらですよね!

イルミネーションのアーチ!

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窓の細かいくり抜きからもれる灯りがとっても綺麗なんです。

確かに電気という新しい技術との融合なのですが、ちゃんと伝統を活かした融合になっていることがとても素晴らしいと思います。

新しいことを生み出そうとするとき、伝統を古いものとして上から潰すことを「更新」だと思って、新しい開発をする風潮を日本ではよく見かける中、

このリンゴ・ミュラーさんのイルミネーションアーチは、115年の伝統をふまえた上で、更にその伝統を新しい世代の人々に届けることのできる可能性をより一層持つものに更新させたものだと思います。

自分が作っているものの美しさを熟知しているからこその発明ですね。

それもそのはず、このアーチはリンゴ・ミュラーさんが『マイスター(職人)』として認められるために作ったものなんです。

 

“Our present Manager, Ringo Müller, became a master toy maker in 1996. To be awarded the title of a master, he entered to the board the first large and completely illuminated candle arch called Seiffener Dorf (village of Seiffen), which is produced still today (article no. 12000).”

sankaku.jpgその時のマイスターの証しの証書がこのページで見れます。:http://www.mueller.com/awards.html

 

リンゴ・ミュラーさんかっけー、と思いました。

 

 

sketchbook_matome_r.jpg

4代目社長リンゴ・ミュラーさんとは、

115年続く伝統工芸の技術を軸に、

最新の技術との融合で生み出した新しい工芸品で、新たな市場を開拓することで、

古くからの伝統を守ろうとしているすごい人。

 

<おまけ>

 

point_b.jpgこれが『ミュラー』!ミュラーだけの特徴。

 

最後に、3代目グンター・ミュラーさんが生み出しはじめたミュラーだけの特徴をまとめてみました。

もしミュラー以外のたくさんのアーチやピラミッドが並ぶ場所に遭遇したら、

この特徴をもとにミュラーの作品を探してみてくださいね!

 

reddot10p.jpgアーチにかかる「雲」のモチーフ

アーチの上にもくもくとかかる軽やかな雲のモチーフは実はミュラーだけのもの!

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reddot10p.jpgピラミッドの「王冠」

ピラミッドの羽根の上に、王冠みたいな部分、見えますか?

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実はこの「王冠(crown)」もミュラーだけの目印。木の質感がとってもきれいです。

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reddot10p.jpgくるみ割り人形と煙出し人形の「ぷっくりしたおなか」

くるみ割り人形や煙出し人形をつくったのは他の工房にくらべて意外と遅いミュラー社。

独自の形を生もうとつくったのがこのぷっくりしたフォルムでした。

muller_nuts.jpg

 

ドイツの人々はビールをたくさん飲みますね。

ドイツには「Bierbauch(ビアバウホ)」という単語があります。意味は「ビール腹」です!

まるで「Bierbauch(ビアバウホ)」みたいなミュラーのお人形達、他の工房ではすっきりお人形が多い中、

ぷくぷくしたミュラーのお人形たちはとってもチャーミングです。

 

stardot.jpg採掘作業もこれでおしまい!

 

さて、『ミュラー展』も今日でおしまい、この「採掘作業」も今回でおしまいです。

ミュラー社のことを掘って掘って掘りまくった8月も終わります。

ここまで、長い文章をたくさん読んでくださったみなさん、ありがとうございました。

このブログは終わっても、ミュラー社はこれからも続いていくことでしょう。リンゴさんがいますし。

これをきっかけにミュラー社やザイフェンのファンになってしまった私は、

今、ザイフェンに行ったら炭坑夫のモチーフや天使と坑夫を買いあさってしまう予感がします。

どこでもドアが開発されていないくてよかったです。

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普通の女の子に戻ります。
 
<これまでの採掘作業シリーズ>
 
 
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絵と文:茂木成美(MOMO制作)

 


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